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2011年7月20日水曜日

痛風



 関節中の尿酸という物質濃度が高くなり、溶けなくなった尿酸が針のような結晶を作り関節炎を起こす病気です。風が当たっただけでも痛むところから命名されたとされます。痛風の歴史は古く、エジプトのミイラの関節に認められたという報告がありますし、西洋ではアレクサンダ-大王、ルイ十四世、ミケランジェロ、レオナルド・ダ・ビンチ、ゲ-テ、ニュ-トン、ダ-ウィンも痛風に苦しみました。皆、豪華な物を食べていたのでしょう。日本では明治になって初めて出現し、戦後急激に増え、現在では全国に数十万人の患者がいると推定されています。
痛風にかかるのは90%以上が男性で、初発症状は、ほとんどの場合、突然足の親ゆびの付け根の関節炎を起こし、赤く腫れて痛みだすことで始まります。これは通常1-2週間で自然に収まりますが、この発作を繰り返すうちに、足首や膝の関節炎も起こすようになり、発作間隔も短くなります。そして、尿酸は関節だけでなく、腎臓にも蓄積し、腎障害ももたらします。
発作が起こってしまったら医師に受診するのが一番ですが、受診までの間は、患部を冷やし、安静を保ち、お酒も断つことが必要です。
治療は、発作が起こってしまったら、尿酸値を下げる薬を始めたり、増やしたりせず、発作の初期であればコルヒチン、すでに腫れが出ているようなら消炎鎮痛剤の頻回多量投与をおこないます。
痛風は、尿酸が体に溜まって起きる病気ですから、その予防には血液中の尿酸を低く保てばいいわけです。尿酸は、食事に含まれるプリン体から作られるので、プリン体を多く含む食事を避ければ良く、具体的には、プリン体1400mg以下が推奨されています。
プリン体を多く含む食品は、 レバー類(210320mg/100g)、白子(300mg/100g)、エビ、イワシ、カツオ等(210270mg/100g)で、乾燥品である干椎茸や魚の干物も高く注意が必要です。また、アルコール飲料は、含まれるプリン体量は多くありませんが、アルコールの作用で尿酸値が上昇するとされます。

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