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2011年5月17日火曜日

めまい

今回は膠原病の話ではありません。
3月11日の東日本大震災後、私の外来でもめまいの患者さんが増えました。いわゆる「地震酔い」というやつです。めまいとは何かと言うと、目がかすみ目の前が暗くなること、ぐるぐる物が回ってみえたりすること、頭がくらくらすること、頭がくらくらして目の前が暗くなることなどの症状の総称です。これを、分かりやすくするため分類すると、回転性めまい、浮動性めまい、立ちくらみの3つにわけられます。先ず、回転性めまいは、自分の身体または大地があたかも回転しているかのような感覚があり、また嘔気を感じることもあり、大抵が、耳の奥(内耳:三半規管)の障害で起こります。次に、浮動性めまいは、回転しないよろめくようなふらつき感で、大抵は小脳の異常や高血圧で生じます。最後に立ちくらみや失神は、血の気が引き、意識の遠くなる感覚で(実際に失神に至ることもあり)、起立性低血圧や重症の不整脈で起こります。軽い回転せいのめまいは、刺激を避け安静にしていれば治ることが多いのですが、症状が重い場合や、1日経っても治らない場合などは耳鼻科受信が必要です。さて、「地震酔い」ですが、これは、基本的には回転性のめまいで、船酔いや車酔いと同じで、目から入る視覚と三半規管で感じる平衡感覚との間にずれが生じて起こる症状です。これは、船から降りたあと、地面が揺れている感じがするメカニズムと同じです。また、余震への心配がストレスとなり自律神経が興奮し、不眠や気分不快が出現するとされています。
余震が収束し、被災地の方々が一刻も早く日常生活に戻れることを祈っております。