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2010年10月14日木曜日

インフルエンザワクチン 2010年度

世界保健機関(WHO)は平成22年8月10日、今回の新型インフルエンザの世界的な流行状況が収束したことを意味する「ポストパンデミック(世界的大流行後)」という声明をだしました。 しかし、新型インフルエンザウイルスがなくなったわけではありません。 過去の経験では、流行後の翌年に再び流行することがあり、もこれからも新型インフルエンザの再流行が起こる可能性があります。実際、例年と比べ9月のインフルエンザの学級閉鎖は増えいて、8月23日-9月26日の5週間に新型インフルエンザウイルスが42件検出されています。本年度の国の対策としては、新型インフルエンザ(A/H1N1)と本年度流行が予測される季節性インフルエンザ(A/H3N2とB型)の3つに効果がある国産のワクチン(3価ワクチン)を用意しています。その量は、約5800万回分(約2900万本)で、接種を希望されるすべての方が接種を受けられる十分ものです。よって、昨年のように特に優先順位はありません。特に、高齢者、膠原病、糖尿病などの基礎疾患(慢性疾患)をおもちの方、免疫を低下させる治療を受けている方、妊婦などは、健康な成人よりも重症になる可能性が高いと考えられるので積極的に摂取を受けたほうがよいでしょう。さらに、平成21年度に新型インフルエンザにかかった方や、昨年新型インフルエンザワクチンを受けた方も、すでにいったん免疫が獲得されたと考えられますが、時間がたつにつれ、抗体価(免疫力をあらわす指標のひとつ)は少しずつ低下していきます。 ですから、今年度も早めにインフルエンザワクチンの接種を受けられたほうがいいでしょう。ワクチンには新型インフルエンザの発症をある程度おさえる効果や、かかっても重症になるのを防ぐのに一定の効果が期待できます。また、まわりの人に感染が広がるのをおさえる効果も期待できます。ただし、ワクチンだけで100%、新型インフルエンザを防ぐことができるわけではありません。「ワクチンをうったから、もう大丈夫」「絶対に新型インフルエンザにかからない」と考えず、手洗い、せきエチケットなど、基本的な対策とあわせて、新型インフルエンザの予防に努めてください。
【接種を受けることが適当でないと考えられる方】
(1)明らかに発熱している方
(2)非常に重い急性疾患にかかっている方
(3)接種を行うインフルエンザワクチンの成分によって急性のアレルギーを起こしたことがある方
【接種時に注意が必要な方】
(1)心臓血管系疾患、腎臓疾患、肝臓疾患、血液疾患、発育障害、呼吸器疾患(気管支喘息など)などの基礎疾患をおもちの方
(2)以前にワクチン接種を受けたとき、接種後2日以内に発熱のみられた方、および全身性発疹などのアレルギーを疑う症状を起こしたことがある方
(3)過去にけいれんを起こしたことがある方
(4)過去に免疫不全の診断がなされている方、および近親者に先天性免疫不全症の方がいる方
(5)接種するインフルエンザワクチンの成分に対してアレルギーを起こすおそれのある方
(6)鶏卵、鶏肉、その他鶏由来のものに対してアレルギーを起こすおそれのある方

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